管 ( くだ )
「 今夜は まだ痛み止めの麻酔が効いて、いろんな管がついてるので安静に寝ていてください。」
家族が医師から術後の状態や今後の治療方針などについていろいろ聞いている間
看護師に こんなことを言われたような気がするが、よく覚えていない。
ただ、寝てろって言ったって ついさっきまで麻酔で眠らされていて これ以上寝てらんねぇよ。
口には出さなかったが、そんなことを思った気がする。
「 いま親父さんの体には 鼻に酸素のチューブ、脊椎のカテーテルからは痛み止めの麻酔、尿道にもカテーテルが入っていてお小水を出してます。後はお腹と肛門にドレンのチューブが入ってます。」
もちろん、腕からは点滴の管も伸びているのだが。
「 ずいぶんチューブだらけですね。夏でもないのに。」 ( その TUBE じゃねぇ! )
「 ですから、今夜一晩は起き上がる必要は全くありません。その代わり明日からは どんどん歩いてもらいます。」
そんな話をしながら、頭の中では手術中にゲロした原因を考えていた。
当然、医学的根拠もな~んにもないが ここからは親父の勝手な推測。
なんせ全身麻酔は生涯2度目。1度目は小学校のときの盲腸の手術。
通常 盲腸の手術くらいは半身麻酔でするものだが、
親父の場合 予想以上に盲腸が変形していて見つからず手術中に麻酔が切れてしまい全身麻酔に切り替えたらしい。
そのときも麻酔で嘔吐するとかなかったし、基本的に麻酔で気分が悪くなるとか ありえないと思っている。
じゃあどんな原因か?
それは左ふくらはぎの痛み。
昔から普通にベッドで寝るときも 仰向けで左足をまっすぐに伸ばして寝ると
必ず ふくらはぎの筋肉が痙攣して吊っちゃうんです。
そんなときは あまりの痛みに無理してもアキレス腱を自分で伸ばして痙攣を治しているんですよ。
なので基本的に左足を軽く曲げて寝たりしてるんですが、手術のときはいきなり麻酔かまされて
おそらく親父の足の向きとか きれいにまっすぐ伸ばしてくれたと思うんですがそれが逆効果。
例によってふくらはぎが吊っちゃったらしい。
神経は麻酔がかかっていて痛みを感じなかったと思うんですけど、そのストレスは半端じゃなかったはず。
それが嘔吐という形になって現れたと思った次第です。
いずれにしてもこのふくらはぎの筋肉痛は退院した今でも 少し残っています。
とにかくその夜は眠ることもできず かといって身動きもできず21時の消灯時間から長~い夜をすごしたが。
後で思うとこんなものは序の口でした。
まんじりともしない夜の中で 唯一 救いだったのは家族に説明する執刀医の
「 周りの臓器には癌転移の形跡は見られませんでした。」 という言葉。
良かった、良かった。
この時は 次の日から始まる苦痛の日々のことなど知る由もありませんでした。
・・・・・・続く。
親父さんは開腹手術だったんですよね。内視鏡じゃなくても、次の日から歩かせるんですね(´゚д゚`) 今の医学は患者に超スパルタですね~。転移してなくて本当によかった(#^.^#)
by kimi (2013-12-23 23:38)
kimiさん。コメありがと。(^_^)
正確に言えば開腹手術というより腹腔鏡手術。 お腹に5ヵ所の穴をあけてロボットアームで手術をするので術後の傷の治りが早いんです。
by 只野親父 (2013-12-24 22:16)